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キャリアがなくても
チャンスを掴める、

社員の人生を
応援するための人材派遣業



大幅な改正を繰り返してきた労働者派遣法によって、派遣社員の保護や雇用の安定が図られてきた人材派遣業界。
株式会社エクシードジャパンの代表取締役である嘉康一氏は、自らも派遣社員として働いた経験をもつ。
「人を相手にしたビジネスゆえ、人との関係性を重視することを忘れてはいけない」と、 働く側に立った姿勢を貫く。

阪、東京、名古屋に4つのオフィスを構える同社は約60名の社員を擁し、人材を扱う事業を展開。中心は人材派遣業で、営業会社やコールセンター、スマートフォンの販売店など、100社近くの顧客の現場に応じて派遣社員を手配する。特徴は、無期雇用派遣を基本としている点だ。人材派遣は、登録者と派遣期間のみ契約する有期雇用派遣と社員として雇用しつつ派遣する無期雇用派遣がある。労働契約法や労働派遣法の改正により、最近になってようやく後者が増えてきた。

「無期雇用派遣のリスクは、期間満了で派遣社員が戻ってきたとき、次の派遣先がなくても給与を払わないといけないこと。それでも設立以来、無期雇用派遣にこだわるのは、そのほうがより仕事を頑張ってくれるし、安定した雇用形態を喜んでくれるからです。弊社内でも活躍できるよう、派遣先から戻ってきた社員は人材コーディネーターとして登用します。その結果、社員のほとんどは派遣社員としての経験があり、派遣された人の気持ちが分かることが大きな強みになっています」。

のような考えに至ったのは、嘉氏の経歴が関係している。高校中退後、家業である溶接工場の手伝いを経て、不動産の売買や携帯電話ショップの運営、健康食品のEC担当など、さまざまな仕事を経験。その後、仕事仲間に誘われて役員として参画したシステム開発会社で、別事業として始めた電話営業を行うコールセンターの運営に携わった。このときにスタッフの採用を人材派遣会社に依頼したことがきっかけとなり、人材派遣業に可能性を見出した。

「私は学歴も十分なキャリアもなく、多くの会社の採用試験を受けてもなかなか採用されませんでした。ですから派遣社員として働いたこともあります。当時の私のような経験の浅い人間でも、チャンスを掴めるように後押ししたい。そんな気持ちから、34歳のときに立ち上げた今の会社で人材派遣業に注力するようになったのです」。

 こうした経験から、キャリアやスキルの向上のための独自の教育・トレーニング制度も充実させている。だが、もっとも大事にしていることは、派遣社員の気持ちに寄り添うことだという。具体的には、派遣社員からの悩みや相談事はすべて対応。会社の立ち上げ時には、嘉氏も人材コーディネーターとして奔走し、深夜や土日に派遣社員からかかってくる電話にも真摯に向き合った。その精神は今でも受け継がれ、同社を支える理念のひとつになっている。

「ビジネスにとって利益を追求することは当然ですし、顧客も派遣社員も我々もみな人間なので、それぞれの思いで動いています。三者全員が豊かになることを目指していますが、その豊かさも物資的なものなのか、精神的なものなのかは、人によって違います。派遣社員に対し手間暇をかけることは面倒だと感じることもあるでしょうが、それがお互いの豊かさにつながるのだと社員に話しています」。

 こうした教育が功を奏し、派遣先の大企業に正社員雇用される派遣社員も現れている。また、固定給から歩合制を取り入れた給与体系に改めたことで、派遣社員のために手間暇を惜しまない人材コーディネーターの努力も報われるようになった。さらに現在、力を入れているのが、グループ内での社員の独立支援である。

「多くの人は、社長をやってみたいと思うようです。お金持ちになれるのか、時間を自由に使えるのか、期待することはそれぞれですが、思っている以上に大変な仕事。ですからいいことも悪いこともひっくるめて体験してもらい、一緒にグループとしてやっていきたいというのが独立支援を始めた理由です。人材派遣業は、派遣法が改正されるとできなくなることも増えるので、事業の多角化という狙いもあります。これまでに3名が独立し、いずれも人材系の事業を展開。将来的には完全独立して、すべてを自分で背負えるように支援していくつもりです」。

材派遣業は決して利益率の高いビジネスではなく、営業利益は売上の1%程度だといわれる。ゆえに、エクシードジャパンでは多角化を図って人材紹介や業務委託にも事業を拡大しているほか、求人広告事業にも進出。さらに小鳥と触れ合える「ことりカフェ心斎橋」や、自社で企画した小鳥グッズ、を扱うECの運営も行い、重要な事業のひとつになりつつある。

「これからは、各各の規模は小さくても、拠点となるオフィスを増やす予定です。今期中には2拠点を新しく設け、役職を増やすことで社員にも夢をもたせたい。会社を大きくしたいというよりも、働く人たちを豊かにすることが目標です。誰にでも豊かになる権利はありますから、その橋渡し役を果たすことで広義の社会貢献にも繋がるのではないかと思っています」。

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